ストレスで抜け毛になることもあります。
どう対処し、どう防げばいいのでしょうか?
目次
ストレスによる抜け毛には「急性」と「慢性」がある
急性の抜け毛:円形脱毛症
過剰なストレスで10円玉くらいのハゲができた、という話を聞くことがあります。
こうした円形脱毛症は、ストレスが直接的な原因ではありませんが、ストレスが誘因のひとつとなり、部分的な抜け毛を引き起こしている場合があります。
1〜2ヶ所の小さな部分脱毛は、「単発型」円形脱毛症といい、ヘアサイクルの成長期にあるはずの毛母細胞が一気に抜け落ちます。。
単発型円形脱毛症のほとんどは、とくに治療をしなくても自然に治癒します。
(逆に、AGA=男性型脱毛症は、治療しないで放置しておくと進行します。)
なお、脱毛部分が多く、広範囲になる場合、自己免疫不全による重度の円形脱毛症である可能性が高いので、医療機関でのステロイド治療などが必要になります。
慢性の抜け毛:生活習慣の見直しが必要
常日頃、長い間に渡ってストレスを受け続けると、食事や睡眠といった生活習慣が乱れ、頭皮に血流を悪化させ、抜け毛になりやすい頭皮環境になります。
ある意味、こういった慢性的な抜け毛体質は、急性の円形脱毛症より恐ろしいものです。
遠因であるストレスと、生活習慣を見直さない限り、着実に薄毛に向かっていくからです。
ハゲ・薄毛の対策は、生活習慣の改善から!
40代からは男性の更年期にも注意
近年、男性版の更年期障害が注目されています。
男性は40代を超えてくると、体内の「テストステロン」が減少していきます。
すると、体調や自律神経の乱れ、性欲減退、うつ傾向、などの症状を発症することがあります。
中年のうつの原因のひとつとしても注目されています。
⇒『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』堀江重郎(著)
さたに、40代というのは、社会的なポジションも重くなり、責任の増大、中間管理職としてのストレスも、ちょうど更年期の始まりと重なってくるのです。
ストレスが増大し、テストステロンが減少してくる40代。
頭皮環境の悪化に伴う、慢性的な抜け毛の温床がここにあります。
ちなみに、このテストステロンは「モテホルモン」といわれるくらい、モテと深く関係しています。
加齢とともに減ってくる「モテホルモン」テストステロンを増やすには、筋トレと食事が大切です。
テストステロンと薄毛の関係 筋トレするとハゲる?
ストレス対策:まずは肉体の疲労を防げ!
ストレスに対抗するには、もちろん元凶のストレス源をなくすことが一番です。
しかし仕事上の理由などで、どうしてもストレス源をなくせない場合、自身のストレス耐性を高める必要があります。
ストレス耐性を高めるには、まず「肉体の疲労を防ぐこと」が大切です。
長時間・長期間にわたる労働や、睡眠不足が肉体の回復をさまたげ、自律神経・ホルモンバランスの乱れを引き起こします。
じわじわとストレス耐性がなくなっていき、ひどい場合はうつ病を発症します。
例として、自衛隊員の災害地派遣での任務が長期化すると、うつの症状をきたすケースが増えるとの事例があります。
⇒『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』下園壮太(著)
なお、適度な筋トレで筋肉を付けることは、疲れにくい体を手に入れることになりますので是非行って下さい。
ストレスの副作用:暴飲暴食、たばこ、睡眠不足
ストレスが引き金となって、様々な生活習慣の乱れを引き起こし、抜け毛しやすい頭皮環境を作ってしまいます。
酒の飲み過ぎ
ストレスからお酒に逃げると、過剰な量のアルコールを摂取しがちです。
飲酒により、利尿作用が進み、水分が奪われ、血液がドロドロになります。
すると、頭皮の毛細血管の血流が悪化し、抜け毛になりやすい頭皮環境になります。
アルコール分解時に出るアセトアルデヒドも、薄毛の原因:ジヒドロテストステロンを増やすとの説もあります。
喫煙量の増加
ストレスが原因で喫煙量が増えると、やはり毛細血管を収縮させ、頭皮の血流量が低下します。毛乳頭に必要な栄養素が運ばれにくくなり、ヘアサイクルの途中で髪が抜けてしまい、薄毛が進行します。
食生活の乱れ
ストレスを解消する目的で、暴飲暴食をすると、油分や糖分を過剰摂取してしまいます。頭皮の育毛環境を悪化させるだけでなく、消化・分解に多大なエネルギーを浪費し、睡眠の質が低下します。
暴飲暴食により、睡眠の質が低下し、長時間寝ても頭皮を含む細胞が回復しにくくなります。
ヘアサイクルの途中で髪が抜けてしまい、再生もしにくくなるという悪循環に陥ります。
睡眠の乱れ
ストレスで自律神経が不調になると、イライラして交感神経優位の状態になります。すると、寝付きが悪くなり、眠りが浅く、睡眠の質自体も低下します。
上記のアルコール過剰摂取や暴飲暴食が重なると、さらに睡眠の質は低下し、頭皮の育毛環境は常に悪い状態になります。
薄毛になりやすい人の特徴。あてはまる人は要注意!
抜け毛のしくみ
髪が抜けるのは、正常な抜け毛と、病的な抜け毛の2種類があります。
正常な抜け毛とは、髪の一生=成長サイクルである「ヘアサイクル」が終了し、髪が寿命に達し、天寿を全うするように老いてぬけるものです。
これに対して病的な抜け毛とは、AGA(男性型脱毛症)や円形脱毛症のように、ヘアサイクルの途中で、若く幼い髪が、成長し切る前に抜け落ちてしまう「夭折」のようなものです。
このため、AGAの抜け毛は細く短いものが多いのです。
生え際が目立つのはAGAのサイン!進行性で放っておくとハゲメンに
まとめ
ストレスと抜け毛の関係について
- 急性の抜け毛=円形脱毛症は一時的
- 慢性の抜け毛は、生活習慣の見直しが必要
- 40代からは男性の更年期にも注意が必要
- ストレス対策には、肉体疲労の予防が大事
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。