AGA(男性型脱毛症)の治療には、ミノキシジルが最も効果があると言われています。
目次
AGAにはミノキシジルが最強の薬
ミノキシジルの効果
ミノキシジルの効果は「発毛」です。
「発毛」効果をダイレクトに謳える薬は、他にはなかなかありません。
ミノキシジルが薄毛治療の最強の薬と言われるゆえんです。
ミノキシジルには、血管拡張作用があり、もともとは血圧の降圧剤として作られました。
副作用として多毛症が発症するので、「発毛剤として使えるのでは?」と研究が進められたのです。
ミノキシジルは毛乳頭細胞に作用し、アデノシンの分泌を促し、髪の毛を生む細胞増殖因子(VEGFやKGFなど)を作らせ、発毛させます。
日本皮膚科学会の 『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン』では、ミノキシジルを外用薬として用いたいくつかのランダム化比較試験で、男女を問わず発毛の効果が認められていることが報告されています。
臨床試験での結果をふまえ、同ガイドラインでは、ミノキシジルの推奨度は最高ランクの「A」を与えています。
推奨度 | 推奨文 | |
ミノキシジル | A |
ミノキシジル外用を行うよう強く勧める。 (男性型脱毛症:5%ミノキシジル、女性型脱毛症:1%ミノキシジル) |
日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療のガイドライン2017年版』より
フィナステリド(プロペシア)との違い
ミノキシジルと同じく、薄毛治療の双璧をなす薬「フィナステリド(商品名:プロペシア等)」との違いは、以下のとおりです。
ミノキシジルで発毛効果を得つつ、フィナステリドで脱毛を抑制する。
これが現代の薄毛治療の基本であり両輪なのです。
ミノキシジルでの発毛の効果が現れてくると、後はフィナステリドで髪を維持する、というものです。
ミノキシジルの「外用」と「内服」
日本皮膚科学会のガイドラインで推奨されているのは、あくまでもミノキシジルの「外用」です。
外用とは、頭皮に直接塗りつけることです。
一方、飲むことを「内服」と言います。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、ミノキシジルの「内服」については、推奨度「D」、行うべきではないとされています。
どうしてでしょうか?
ミノキシジル「内服」の有用性に関して臨床試験
は実施されていない.(中略)
多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は
少なく,内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に,
胸痛,心拍数増加,動悸,息切れ,呼吸困難,うっ血
性心不全,むくみや体重増加などの重大な心血管系障
害が生じるとの記載がある.
以上のように,ミノキシジルの「内服」療法は,利益と
危険性が十分に検証されていないため,男性型脱毛
症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められる.日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療のガイドライン2017年版』
ミノキシジルがいくら薄毛治療に有効だからと言って、現段階では「内服」はするべきではない、というのが日本皮膚科学会の公式な見解です。
ミノキシジルは外用(頭皮への直接塗布)によって使用しましょう。
ミノキシジルのデメリット
内服はもちろん行わないとしても、外用にはデメリットはないのでしょうか?
多毛症
発毛が効果である以上、これは避けられないものかもしれません。
ミノキシジルを塗布した顔の周りは、特に毛が濃く、多くなってしまう傾向があります。
外用を用いた私の夫も、眉毛やまつげ、額の産毛が、以前より毛深くなりました。
眉毛が濃くなることについては、眉毛カットで対応できます。
まつげが長くなることは、むしろ女性の私としては羨ましいくらいでした。
気になるようでしたら、ピンセットで抜くなど、毛量を調整すればいいと思います。
むくみ
これは何となくのレベルですが、使用中の夫の頬から首にかけて、やや「むくみ」のような症状があったように思われます。
半年から1年ほどの塗布により発毛してきた後で、塗布を中止するとむくみはなくなったように感じられました。
心臓に多少の負担
ミノキシジルはもともと血圧の昇降剤として開発されました。
血管の拡張する作用がありますので、血流が増え、一時的に、多少なりとも心臓に負担をかける可能性があります。
そのため、使用にあたっては必ず医師・薬剤師の指導のもと、正しい用法と用量の塗布を行ってください。
最初の1〜2ヶ月は、逆に抜け毛が増える
ミノキシジルの塗り始めて1〜2ヶ月頃は、かえって抜け毛が増えることがあります。
これは、古くて細い、弱かった髪の毛が抜け、新しい髪の毛が生えてくるための、必要な準備期間だと思ってください。
「休止期脱毛」と言って、異常なヘアサイクルにあった髪が一旦抜け、正常なヘアサイクルに戻る過程での起こる、一時的な現象です。
これを逆効果と勘違いして、ミノキシジルの使用を中止する人もいるため、日本皮膚科学会のガイドラインでは、休止期脱毛について患者への説明が必須である、と記載されています。
ミノキシジルの個人輸入は危険
ミノキシジルの内服は、安全上の観点から認められていません。
内服用のミノキシジルを個人輸入で入手することは大変危険です。
ミノキシジルの個人輸入が危険な理由
- 内服すること自体が危険
- 偽造品、粗悪品が届く「品質リスク」
- 自己判断による服用がはらむ「健康リスク」
個人輸入はリスクが多く、万が一の健康被害に対しても、なすすべが無く大変危険です。
ミノキシジルの処方は、必ず医師の指導のもと、安全な用法用量を守って使った方がいいです。薄毛を治すために健康を害するなんて、本末転倒もいいところです。
ミノキシジルの処方は、AGAの専門クリニックに行かれることを強くすすめます。
リアップもいいけれど
同じ理由で、市販のミノキシジル溶液を買うのもいいですが、処方の量や頻度について、AGAの専門クリニックでアドバイスをもらいながら行うほうが、圧倒的に効果的で、結果として試用期間の短縮=費用の圧縮に繋がります。
まとめ
ミノキシジルの効果と注意点についてお話しました。
ポイントは以下の通りです。
- AGAにはミノキシジルが最強の薬
- ミノキシジルの「内服」はNG
- ミノキシジルのデメリットは、多毛症、むくみ、心臓への負担
- 最初の1〜2ヶ月は抜け毛が増えるがガマン
- ミノキシジルの個人輸入はリスク大き過ぎ
- リアップも良いがクリニックがベスト
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。