頭皮がベタつくことは、薄毛の原因なのでしょうか?
頭皮の皮脂過剰は薄毛の原因ではない
頭皮のベタつき、「皮脂過剰」は、薄毛の原因ではなく、薄毛の「結果」です。
薄毛の原因である男性ホルモンの増加が、皮脂の分泌を促すからです。
薄毛の人は、結果として皮脂過剰になりやすいので、大昔の人は「皮脂箇条が薄毛の原因だ」と推測しました(19世紀頃の通説)。
皮脂そのものは悪くない
頭皮のベタつきは、たしかに不快で気持ち悪いものです。
しかし、人の体には本来、自己防衛機能が備わっています。
アレルギー反応しかり、発熱しかり、人体のこれらの反応は、外部からの刺激に対応するための防衛反応と言えます。
頭皮の皮脂過剰は、毎日のシャンプーで削り取られた皮脂を、体が必死に補おうとする防衛反応なのです。
シャンプーには、界面活性剤やアルコール分なのど、油を除去する成分が多量に含まれています。
たしかに、シャンプーはスッとして気持ちいいものです。
でも、この爽快感は、界面活性剤やアルコールがもたらすもので、爽快感と同時に、皮脂を根こそぎ削り取っていくのです。
皮脂の役目は「保護」と「保湿」
皮脂の役目は、頭皮の「保護」と「保湿」です。
頭皮の毛穴に、外部から雑菌などの良くないものが入ってこないようにガードする、バリアの役目を担っています。
また、頭皮から水分が蒸発し乾燥するのを防ぐ、保湿ベールの役目があります。
こういった皮脂の働きによって、頭皮は「弱酸性」に保つことができます。
弱酸性であれば、頭皮は常在菌のバランスを保つのに最適な状態になります。
シャンプーのしすぎは、かえって頭皮をベタつかせる
シャンプーをやりすぎると、皮脂がごっそり取り除かれてしまいます。
すると、人体は「バリアがなくなったので補充しなければ!」という命令を出し、皮脂が必要以上に分泌され、頭皮のベタつきをもたらします。
皮肉なことに、「頭皮のベタつきを抑える」という宣伝文句のシャンプーが、頭皮のベタつきの原因になっていることがあるのです。
また、毎日頻繁にシャンプーをすると、皮脂が取り去られ、皮膚が弱酸性に保たれなくなり、常在菌のなかの悪玉菌が増殖します。
過剰に分泌される皮脂は、この悪玉菌のエサになります。
あさに悪玉菌が繁殖し、悪玉菌の排泄物が、悪臭を放つようになります。
ベタつきや悪臭を抑えようとして、頻繁にシャンプーをすればするほど、皮脂過剰と悪玉菌増殖によって、かえってベタつき・悪臭が増すという悪循環に陥ります。
皮脂を正常に保つには、ぬるま湯でのシャンプー「湯シャン」がおすすめです。
皮脂過剰のデメリット
皮脂が過剰に分泌され過ぎると、ひどくなる「脂漏性皮膚炎」になり、頭皮に湿疹ができる場合があります。
湿疹の患部の髪の毛が抜ける場合がありあますが、一部分であり、また、脂漏性皮膚炎が治ると、湿疹患部の抜け毛も治ります。
頭皮にニキビのような赤い湿疹が出た場合は、脂漏性皮膚炎の可能性がありますので、皮膚科外来を受診してください。
まとめ
- 頭皮の皮脂過剰は、薄毛の原因ではなく、薄毛の結果
- 皮脂には、頭皮の保護と保湿というバリアの役目がある。
- シャンプーのしすぎは必要な皮脂を取りすぎ、かえってベタつきを促す。
- ぬるま湯シャンプーがおすすめ。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。