プロペシア(フィナステリド錠、フィンペシア)の副作用として、性欲減退、男性機能低下などはあるのでしょうか?
目次
プロペシア(フィナステリド)に性欲減退の副作用はほどんど無い
プロペシア(フィナステリド)には、性欲減退、男性機能低下など、男性の「性」に関する副作用はほとんどありません。
臨床試験において、ごく数%の男性があくまで「自覚症状」、そんな気がするという回答をしましたが、あくまでも自覚症状に留まり、日常生活には大きな支障は無かったという結果が出ています。
性欲減退の「自覚症状」の割合
- フィナステリド0.2mg投与のグループ ⇒ 1.5%
- フィナステリド1mg投与のグループ ⇒ 6.5%
- プラセボ(偽薬)投与のグループ ⇒ 2.2%
いずれも「自覚症状」のみで実生活には支障なし
プロペシア(フィナステリド)には、性欲を司る男性ホルモン「テストステロン」を減らす効果はありませんので、やはり性欲減退の副作用は無視して良さそうです。
日本皮膚科学会の『男性型脱毛症診療ガイドライン』においても、プロペシア(フィナステリド)の副作用について、以下のような記述があります。
フィナステリドの副作用に関して、フィナステリド(1mg/日、0.2mg/日)を用いた、414名の「日本人」男性被験者を対象とした観察期間48週間のランダム化比較試験に続く374名の「日本人」男性被験者を対象としたフィナステリド(1mg/日)を用いた観察期間2年間の非ランダム化比較試験において、0.2mg/日から1mg/日、プラセボ(偽薬)から1mg/日に移行した患者で性機能に関する副作用はなく、プラセボから1mg/日に移行した患者で1例ずつ出現した。
日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』
という風に、性欲減退の副作用は、ほとんど無視できる範囲のものだと言えます。
ちなみに、私の夫もプロペシアを服用していますが、特にそのような症状は無いとのことです。
プロペシア(フィナステリド)、その他の副作用
薬全般に言えることですが、肝機能にもともと障害がある方は、薬の服用には十分な注意が必要です。
服用にあたっては、必ず医師の処方に基づき、用法用量を守る必要があります。
プロペシア(フィナステリド)について言えば、国内、海外の症例において、特に深刻な副作用は報告されていないようです。
再び、日本皮膚科学会のガイドラインからの抜粋です。
フィナステリドの副作用に関して、(中略)胃潰瘍、大腸ポリープに関しても、因果関係は不明としている。重要な副作用として、頻度は明らかではないが、まれに肝機能障害があらわれることがある。
日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』
この他、海外では「胃の不快感」を訴える症例もあったようですが、もともと肝機能や消化機能が弱い方は、プロペシアに限らず、薬の服用には注意が必要ですので、必ず医師の指示に従うようにして下さい。
プロペシア(フィナステリド)服用の注意点
そのほか、プロペシア(フィナステリド)服用に関して、注意すべき点は以下のとおりです。
- 服用中は人間ドックの「前立腺がんマーカー」に影響を与える
- 妊娠中や妊娠の可能性のある女性、授乳中の女性の服用は禁止
- 服用中の献血は禁止
服用中は人間ドックの「前立腺がんマーカー」に影響を与える
プロペシア(フィナステリド)を飲んでいると、人間ドックや健康診断で、前立腺がんの指標になるマーカー値がおよそ半分になります。
ですので、数値を倍にして見ないと正常な診断ができません。
人間ドックや健康診断を受診の際は、必ず飲んでいることを伝えましょう。
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妊娠中や妊娠の可能性のある女性、授乳中の女性の服用は禁止
赤ちゃんが男の子の場合、生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす恐れがあると言われています。
妊娠中や妊娠の可能性のある女性はもちろん、授乳により薬の成分が赤ちゃんに伝わることにも、念のため注意が必要になります。
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服用中の献血は禁止
輸血を通して、妊婦の体に薬品成分が伝わることにも気をつけなけれなりません。
このため、プロペシア(フィナステリド)を服用中の男性は、輸血は禁止されています。
まとめ
プロペシア(フィナステリド)の副作用について、まとめです。
- プロペシア(フィナステリド)に性欲減退の副作用はほどんど無く、無視できる範囲
- 肝機能障害がある人は医師の支持に従う
- 服用中は人間ドックの「前立腺がんマーカー」に影響を与える
- 妊娠中や妊娠の可能性のある女性、授乳中の女性の服用は禁止
- 服用中の献血は禁止
最後までお読み頂きありがとうございました。
フィナステリド(プロペシア、フィンペシア)はいつまで飲むべきか?
【参考資料】
日本皮膚科学会『男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』
板見智『専門医が語る毛髪科学最前線』集英社新書